クレオパトラの夫は弟

ロシアの小説家ウラジーミル・ナボコフは貴族の出身で、ロシア革命後にアメリカに帰化しています。1953年に完成させた小説「ロリータ」は、性的に倒錯した世界を描いていたためアメリカでは5つの出版社に刊行を拒否され、1955年にフランスのポルノ出版社から出版されます。フランスでは発売当初から注目を集め、1958年にはアメリカでも出版されてベストセラーになりました。

少年時代に死別した恋人を忘れられない中年男バート・ハンバートが、彼女とよく似た12才の少女「ロリータ」に恋をするという、悲劇であり喜劇でもある作品です。衝撃的な内容が話題となり、少女愛をあらわす言葉として「ロリータ・コンプレックス」という新語が生まれました。現在でもよく聞く単語ですが、古今東西の有名人の中で、ロリコンの代表といえばルイス・キャロルでしょう。

ルイス・キャロルのロリータ・コンプレックス

「ロリータ」の筆者ナボコフは、1923年には「不思議の国のアリス」をロシア語に翻訳していますが、この書に大きく影響を受けたとされています。ナボコフは、アリスの作者ルイス・キャロルを「最初のバート・ハンバート」(ロリータの主人公)と呼んでいます。

ルイス・キャロルはオックスフォードの大学教授で地位の高い人でしたが、友人のかわいらしい娘アリスのために「アリス」シリーズを書いたと言われています。ルイスは少女が好きで、趣味の写真の被写体の多くは少女。現存する写真の半数は小さな女の子です。特にお気に入りは「アレクサンドラ・キッチン」という少女で、4才から16才になるまで撮り続けています。彼女には水着の撮影を試みて、断られています。

被写体の少女たちには中国人風や物乞い風などいろんな衣装を着せて撮っており、今でいうコスプレ的な趣味もあったようです。ヌード写真も大量に撮影したと言われています。存命中に大半は焼却・破棄されたために、現存するのは6枚のみです。

陰毛に驚いてロリコンに

19世紀の高名な美術家ジョン・ラスキンは、29才のときにエフィという女性と結婚します。処女と童貞の結婚でしたが、初夜がうまくいかず、結局エフィは処女のまま離婚することになりました。奥手のラスキンは女性に陰毛が生えることを知らず、初夜に妻の陰毛を見てEDになってしまったようです。EDの原因のひとつには心理的なものがありますが、その典型例といえるのではないでしょうか。彼が現代に生きていれば、バイアグラなどの薬の力を借りてノーマルな性生活を謳歌できたのかもしれませんが…。

以降も、陰毛をみると勃起できず、処女と童貞のまま離婚する羽目になります。ラスキンは陰毛の生えていない少女との結婚を望み、10才の少女の両親に結婚を申し込んで断られました。その後は、美術の世界で少女崇拝に走ったと言われています。

少女を愛する気持ちから「不思議の国のアリス」は誕生したようです。ロリータ・コンプレックスは大人になり切れない男の性向なのかも知れません。