レズビアンの起源は、古代ギリシアの女流詩人

サッフォーという女流詩人の名前を、ほとんどの方は一度は耳にしたことがあるはずです。紀元前7世紀から6世紀のあいだに存在していたとされる人物で、哲学者プラトンから「10番目の女神」と言われるほど高い評価を受けました。

ですが一方で、のちの世では道徳性を欠いた、健全ではない詩であると非難されてもいます。そして彼女を批判するものとして生みだされた「レズビアン」という言葉は、現代では女性の同性愛者を指す意味の言葉へと変化しました。

存命時はもてはやされたが、のちの世でおとしめられた詩人

彼女の生涯については歴史学ではっきりと証明がなされておらず、存在は伝説の域を出ません。ただ胸像も見つかっているため、実在していた可能性は高いそうです。

情熱的な詩で知られている彼女ですが、実はもうひとつ有名な話があります。現在では女性同性愛者のことを指す「レズビアン」という言葉は、もともとはサッフォーをおとしめるために言われた言葉だったということです。

彼女が生きていたときは評価された詩ですが、のちに古代ローマの時代になるとキリスト教の影響で「退廃的なもの」と非難されるようになりました。そしてサッフォーを批判するために「同性愛者」と彼女を言う人々がいたそうです。

同性愛とみなされた詩人の出身地がそのまま同性愛者を意味する言葉に

前述のような批判が広まったことにより、彼女の名前Sapphoにちなんで女性同性愛者のことを「Sapphic」と言うようになりました。女性同性愛を指す「Sapphism(サッフィズム)」も上記の意味に由来する言葉です。

また、同性へ向けた愛の詩を多くのこしたこともあり、時代とともに同性愛者というイメージが定着しました。そして彼女の出身地レスボス島の人を指す「Lesbian(レズビアン)」も、女性同性愛者を意味するものになったそうです。

上述の理由から、現在ではレスボス島はレズビアンたちの聖地であり、観光名所にもなっています。ただ現地人にはあまり喜ばれていないようで、今ではレスボス島とは別に「ミティリニ島」というもうひとつの名称があるそうです。

性にも時代の流れがある!?レズビアンからひもとく性の価値観

ただ、実際にサッフォーが同性愛であったかは定かではなく、生涯について詳細がわかるような資料もありません。彼女が教え子の少女と育んだのはあくまで友愛とされており、同性愛自体も古代では異質なことではありませんでした。

古代においては、レズビアンは実は世界のいたるところで容認されていたものであり、現在よりも受け入れられていたようです。同性愛について厳しい傾向が出てくるのは、キリスト教的な価値観が普及したあとでした。

ただ、現在では宗教に関わらず同性愛が受け入れられはじめている場所もありますし、単にそういう時代だったとも考えられます。性の価値観というのは、もしかすると時代ごとに大きな流れのようなものがあるのかもしれません。