「本腰を入れる」はエロいからNHKでは使わない!?

放送業界には「放送禁止用語」というものがあります。差別的なニュアンスがあるとか卑猥(ひわい)な印象があるなど、人に不快感を与える可能性のある言葉の使用を禁止するものです。たとえば、「めくら」や「つんぼ」のように身体障害を表す古い用語は、「目の不自由な人」「耳の不自由な人」といった言い換えを行います。関連する「めくら滅法」や「片手落ち」といった表現も禁止用語です。「下女」「下男」などの職業は「お手伝いさん」となりますし、女性を「スケ」と言ったり、婦女暴行を「強姦」と言ったりしてはいけないことになっています。

「嫁をとる」「嫁にやる」などは、女性を蔑視したり差別したりする印象を与えるため使わないのが普通です。「やばい」というのも禁止です。下品な印象を与えるからでしょう。「アオカン」(青姦)や「すけこまし」など、性的な俗語もNGです。卑猥な印象を与えるからですが、「アオカン」や「すけこまし」はどう言い換えるのでしょう?

ほとんどが、ちょっと想像力を働かせれば「禁止」に合点のいくものですが、中には、日常生活では違和感のなさそうなのに、使うことが好ましくないとされているものもあります。たとえば、「本腰を入れる」です。本気になるというような意味で使われますが、よく考えてみると、エッチな意味を含んでいると分かります。日頃何気なく使っている言葉の中には、セックスから発生したものが少なからずあるのです。

本腰を入れれば女はあえぐ!?

「本腰」とは何でしょうか? 意味としては「本気」とほぼ同義ですが、「本気を入れる」とは言いません。この単語は「本腰を入れる」以外の用法で使われることがほとんどない言葉です。実は、もともとは男性がセックスの最中に、「本気モード」に切り替えることを指した表現です。 愛撫して挿入してピストン運動でいきそうにさせたときに、フィニッシュに向かって運動速度を速めること。

「さあ、いかせるぞ!」という気合いの入った状態が「本腰」です。現代では、このエロ用語が一般化し誰でも使うようになっていますが、本来は男性しか使えない言葉です。女性が口にすれば、騎乗位になっている場面が想像されることとなり、かなりエッチな用法となります。

自分だけ気持ちいいのはダメ!?

セックスは互いに気持ちよくならなければなりませんが、挿入している側だけが感じたり、挿入されているものだけがあえいでいたりすることがあります。この状態を「ひとりよがり」と言います。女性がオナニーをするときにも、「ひとりよがり」になりますが、語源的にはマスターベーションではなく、セックスの最中が元になっています。

エッチな意味があるのですが、この言葉はテレビでも使われます。語源が分かりにくいからでしょう。 一方で語源とは関係なく、使用を控えられている言葉もあります。たとえば、「またにかける」。女性が複数の男性を「またにかける」姿が想像されてしまいます。「くわえこむ」もフェラチオをイメージする人がいるために使われません。

いくつかの言葉は、性的であるとして放送では使われません。世の中にはついついエッチな妄想をしてしまう人が多いからでしょう。