処女を守るために流行ったペッティング

ペッティング

最近はほとんど死語になってきた感がありますが、「ペッティング」という行為は、かつては実に重要な性的プロセスのひとつでした。性的な結び付きの発展段階を、キスは「A」、ペッティングは「B」、セックスは「C」と隠語で呼びます。思春期の女子たちは、「とうとう彼にCまで許しちゃった」「Cまでしちゃった」などと、語りあったものです。

ペッティングとは挿入をしないセックスのことで、フェラチオやクンニリングスはしても、挿入だけはしないという性行為です。ある意味では不自然なセックスで、歴史的には19世紀以降に一般的になりました。

性交の代替として流行したフラート

奔放なセックスの結果父親のいない子どもを出産したり、いかがわしい堕胎医にかかって命を落としたりすることが多くなり、女性たちは自分の身を守ることを考え始めます。19世紀のヨーロッパでは、望まない妊娠を避けるために、「フラート」が流行します。今でいうペッティングのことです。キスから、次第に体をまさぐるようになり、たがいに性器を愛撫しあうところで行為をとめます。

男性は性交をしなくても射精に至れば、一定の満足は得られます。女性も指や舌での愛撫でオーガズムを得ることもできますので、性的には満足します。多少物足りなくても、妊娠のリスクは全くないため、「フラート」はヨーロッパ中で大流行しました。「フラート」は「いちゃつく」という意味ですが、フラートにいそしむ女性たちは「半処女」と呼ばれました。

フラート専門店も登場

流行し始めた当初は、自宅の部屋や森などの人気のない場所でフラートは行われていました。だんだんフラート人口が増えると、フラートの場所を提供することが商売となります。パリやロンドンなどの都心部には、カフェのような「フラート店」ができ、薄暗い部屋の中で男女が、周りの目を気にせずフラートに励むことができました。日本にも一昔前に「同伴喫茶」というものがありましたが、一種の「フラート店」です。

フラートは大流行し、女性たちは当たり前のように「悦楽」を楽しむようになりましたが、次第に批判もされ始めます。「性交さえしなければ、何をしても純潔と言えるのか?」「一途な恋で処女を失った女性と、色んな男性とフラートをしている女性と、どちらが堕落しているのか?」などと。そのため、しだいに流行らなくなりました。

女性の処女を守るため、妊娠を予防するために19世紀のヨーロッパではフラートが大流行しました。しだいに、批判が高まったため、流行らなくなりました。「貞操」が大切にされた「よき時代」とも言えるのではないでしょうか?